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備忘録④


 『THE RITE』を観た。

 

 実在したエクソシストの実話をベースに作られた作品であると記憶している。この作品が持つ空気はエンターテイメントとして楽しむホラーとは毛色が違う印象を受けた。エクソシスト系は何種類か観ているが、この作品が最も現実に近い空気を纏っている気がしている。悪魔を特別視していないというか、日本で言うところの悪霊ポジションだからかな。創作物でよく見る特別感が無い。(思っている事を表現するには語弊がありそうな言葉選びをしている気がするけど、適切な言葉が思い付かない)

 

 ルーカス神父はアンソニー・ホプキンスさんが演じている。『羊たちの沈黙』でレクター博士を演じた人だったなんて……。RITEを見るのは2回目なんだけど、タイトル知らなかったから気になって調べたんだ。アンソニーさんのレクター博士も狂気が魅力的。

 

 

 信仰を持つ身として、神様から「お前も疑う者だよ」と言われているような気がした。私も自分の中にある信仰が揺らぐことがある。というか、揺らぎかけている最中に観せられたからから尚更ね。神様という存在を否定はしない。寧ろいると思う。存在を認めるのと信仰は話が別なんだ。きっとルーカス神父は1人だったら闇落ち確定していただろうね。救ってきた大勢よりも、たった1人を救えなかったことは信仰が揺らぐ理由としては十分だし、ましてや自分が傍に居ながら母子ともに死なせてしまった事は、負けたと認めざるを得ない。ただ信仰者としては祈るべきだった。最期まで。ダメだと思わずに、最期まで神様の実在を信じるべきだった。ルーカス神父は信仰を試されたのだと思う。マイケルは悪魔を通して神の実在を知らしめられた。見込みがあると思われたのかもしれないね。

 

 感想を綴ろうとしても、思考が纏まらなければどんな言葉が思ったことを表すのに適切かもよく分からない。一度見ているにもかかわらず、途中まで既視感だけで思い出せなかったから……(´・ω・)

 

 最初に見た時も、神様はいかなる時も私を見ていて信仰を試されていると感じた。あの時は妹と酷い喧嘩をして殺意と自殺衝動に満ちていたからね。私の心に天使なんていなかった。神様に見捨てられたとさえ思った。実は2回目を見せられた時も、同じようなことを考えていた。きっと1人だから繰り返すのだろうね。