念願の『悪魔城ドラキュラ‐キャッスルヴァニア‐』を視聴した感想記録。
コナミ制作の『悪魔城ドラキュラ』シリーズがベースのダークファンタジー
制作会社:Wow! Unlimited Mediaの子会社フレデレーター・スタジオ
脚本:ウォーレン・エリス
製作総指揮:ウォーレン・エリス、ケヴィン・コルド、フレッド・サイバート、アディ・シャンカル
(参考:ウィキペディア)
主人公はトレバー・ヴェルモンド(日本でいうところのラルフ)。サイファ・ヴェルナンデス。アルカード。内臓が飛び散ったり、人間が魔物に食べられたり、バラバラになったりと、血肉踊る物騒な描写が有る。とくに目を潰すという行為が主流……? 音声は英語と日本語があって、日本語音声と字幕で使用する言葉が異なり、音声の方が大胆な言葉遣いをしている印象。原作愛を感じる期待以上の良作。
以下、ネタバレを含みますので、自己責任でお願いします。
しょっぱなから「羊とヤッた」という会話が流れて少しドキッとした。予想も何もないけど下品な会話なのは間違いない。この下品さが、日本語音声と日本語字幕で異なって、字幕の方が単語は勿論、文章が表示が音声と順番が違ったりと、面白いです。アルカードが野外でたちしょんしたり、トレバーが臭かったり、サイファが「クソ」を連発したりと、キャラクターが見せる下品さがリアルというか、原作の雰囲気をぶち壊さない程度の下品というか、その下品さがキャラを親しみやすくするというか、言葉にするのは難しいけど創作にありがちな堅苦しい感じがない。……アルカードが「小便」って言うんですよ。
裾が長い服装やマントを纏っている人が多く、戦闘シーンが凄くよかった。トレバーの鞭さばきにテンション爆上がり。音が痛そうなのは勿論、なんというか、かっこいい。トレバーは荒々しく、サイファは天真爛漫。アルカードは優雅で、アニメならでわの表現に感謝。金の長髪やジュストコールの靡きが最高すぎる。
前半はトレバー、サイファ、アルカード視点だけど、後半に進むと悪魔精錬師視点が増えて嬉しかった。ヘクターが全裸で登場した時には状況理解が追い付かなかったけど、なんでアイザック兄さんはダメなんだ!? とモヤモヤ。あれは確か、アイザック兄さんの全身に入った刺青が問題だって言われていた気がする。よ大人の都合じゃしょうがない。
ヴェルモンド家の先祖、レオン・ヴェルモンドの姿絵が飾られていた事に感動しました。キャスバニ、操作に慣れない&画面が暗すぎて未だに積んでいる状態……。
悪魔精錬師は闇の呪印に登場した、伯爵配下の人間。作中にもアイザックとヘクター
が出てくる。アイザック兄さん推しとしては登場するのは嬉しい。容姿も設定も、悪魔精錬師だという部分以外は全然違うから、もしかしたら別人という設定なのかもしれない。従来なら派生作品のキャラを原作と分けて(似て非なる者として)考えるのですが、アイザック兄さん推しなもので、つい比較をしてしまう……。誤解の無いように言っておくけど、批判的な比較ではない。
主観と推測を越えることはないけども、原作のアイザック兄さんは孤高で、悪魔精錬師という立場に誇りをもっている。人間から迫害された自分に手を差し伸べてくれた伯爵様を敬愛しているからこその誇りに思う。似た境遇で伯爵様に手を差し伸べられたヘクターが人間であろうとしたのが許せなかったようにも感じる。それはアイザック兄さんがヘクターを同類だと認めていたから。推している身としては、原作で見えない部分で両者が切磋琢磨し、時にフォローをしつつ伯爵様に仕えている光景を夢見てしまう。自分の方が年上だからと、先輩として支えた日もあったかもしれない。そう考えてしまう。不憫なヒトだ。
アニメだと、ヘクターと一緒の時に穏やかな表情を見せることもあって、原作のアイザック兄さんが捨てた(と私が勝手に思っている)人間性をもっていた。ただ相手を怨むのではなく、自分を含めた色んな人と触れ合い見分を広め、ヘクターの裏切りを許し、受け入れた。原作でアイザックは命を落としているから、生存してくれたのが凄く嬉しくて泣いた。ヘクターとも良い友好関係を築いているし……何より伯爵様との関係が「友人」
なのが最高すぎる。自分の為に命を落とすのは惜しいと、言われ、伯爵様に命を助けられた。嬉しい。アイザックが葛藤を抱えながらも相手を理解しようとする性質をもっていたからこそ成り立った関係でもあるのだろう。伯爵様も伯爵様でニンゲンであるアイザックを「友人だから」と信頼した。思い出しただけで感動で泣ける……。
そして、アイヘクという友愛が其処に在った……。原作のアイザック兄さんの容姿が少しでも反映されていたら、私の心臓は感動に耐え切れず止まっていたかもしれない。それほどまでにアイザック生存&友愛ルートは衝撃的で、こんな形で願いが叶うなんて思っていなかったから嬉しい。めでたい。名前まで違っていたら完全に別人だけど、名前が同じだから夢が見れます。ありがとう。
奥様という存在は確実に伯爵様に変化を齎し、伯爵様もその変化に戸惑い判断できなかったから、人間である悪魔精錬師の二人に指揮を委ねたのではなかろうか。最愛の人を亡くせば病んで当然だし、何より守れなかった自分を責めている伯爵様、お労わしや……。アルカードに対する父性が切なかった。
素敵な作品と出会えてよかった。
緊縛されたアルカードが芸術的なえっちさだった。
なんというか、うん。よかった。
救いがあった。許しがあった。他者を思いやる優しさがある。
悪魔城シリーズは大人の都合で抹消される部分とかあるし、数年前は閲覧できたモノも削除されていて確認できない部分もあったりするから、もうこの際、考えるのやめておこう……。当時あった回答も消されていて今では確認できず、モヤモヤする部分がある。ソニアとアルカードの間の子供がラルフ(トレバー)で、伯爵様の孫とか、ロードオブシャドウの存在でレオンの存在が抹消されかけたり(現在?ロードオブシャドウはパラレルワールド扱いをされているらしい)。
未来の私がきっと忘れるであろうから、メモがてら。レオンの想い人であるサラの魂が宿った鞭が「ヴァンパイアキラー」であり、凱旋中に病で亡くなった奥さんの死を嘆き人間をやめたマティアスが「ドラキュラ」と名乗っている。
トレバーの声優は置鮎さん。アルカードは三木眞一郎さん。ヘクターは櫻井孝宏さん。 アイザックは真殿光昭さん。